■従来工程とCTPの比較

CTP
CTPとはデータから直接、印刷する為の刷版(PS版)を出力する方法です。従来はデータからフィルムを出力後、フィルムをPS版に焼き付けてそれを印刷していました。
   従来工程
    データ作成→Film出力→刷版(PS版作成)→印刷
   CTP
    データ作成→PS版出力→印刷

何故品質の違いが現れるのか
CTPでは前記の通り、従来工程にあった「フィルムをPS版に焼き付ける(刷版)」という工程が省略される事になります。この工程は品質の劣化が避けられない工程の為、CTPと従来工程に品質の差が現れることになります。
 
網点品質
従来工程では刷版時に網点の大きさは縮小し、変形します(ドットロス)。この現象は濃度が薄い部分ほど大きく現れます。CTP時出力時には前記の現象が生じません。
両工程とも、印刷時には網点は拡大し変形します(ドットゲイン)。ドットゲインは通常50%付近でもっとも大きく発生します。CTPではドットロスがなく、ドットゲインのみが発生する事になるので、PS版の出力時に網点の濃度を調整して出力します。
結果として、網点が2回にわたって変形、拡大・縮小される従来工程よりもCTPの方が網点の品質が上回る事になります。またCTPの方が濃度の細かい調整が可能な事になります。
 
網点形状
 
薄い濃度の網点
 
見当精度
CTPにおいては途中の刷版というアナログの工程が取り除かれるため結果として印刷物の見当の精度が高くなります。
 
225線
線数は200線を越えると人間の目に網点のパターンが見えずらくなります。よって線数が高い方がフルカラーの印刷に向いている事が多いのですが、従来フルカラーの印刷のほとんどは175線で行われて来ました。これは高い線数で印刷を行う場合、刷版工程での品質管理が非常に難しく結果的にコストが高くなってしまう事が原因でした。
CTP化された工程では上記の点が解消されていますので、低コストで高線数の印刷が可能になりました。
 
CTPへの移行
従来工程からCTPへ移行する場合最大の問題になるのが校正方法です。従来工程ではフィルムを使い校正専用の印刷を行って、校正紙を作成していましたが、フィルムがないCTP化された工程では、この方法は使えません。
弊社ではKONICA社Digital KonsensusProまたはEPSON社のPX10000という顔料インクを利用したプリンター+ICCプロファイルという形で、高品質の校正を実現しています。またハイデルベルグ社のシステムを使用し、データから中間ファイルを作成して、同一の中間ファイルをプリンター出力・CTP出力の両方に使用しますので、より高い信頼性を実現しています。